EQリーダーシップ:成功する人の「こころの知能指数」の活かし方
EQリーダーシップ(原題:PRIMAL LEADERSHIP)
ダニエルゴールマン他共著 352ページ
2002年ということは、もう16年も前に書かれた本なのですが、
「ティール組織」や「TRUST FACTOR」を読んで、
あらためて読んでみたくなり、今更ながら購入してみました。
なるほど、確かに書いてあることの大半は
すでにいろいろなところで語りつくされた印象で、
今となってはほとんど「目新しさ」は感じない内容ですが、
「考える知性(大脳新皮質)」で部下を管理することはできても、
「感じる知性(大脳辺縁系)」が足りないリーダーには、部下を導くことはできない
という記述は刺さりましたね!
人間は「感情で動く」ものであり、「感情の問題」を避けてリーダーシップを語ることはできない。
太古の昔から、リーダーは「感情のレベル」で人々を導く役割を担う、いわば「感情の指針」である。
なるほどねぇ。。
「TRUST FACTOR」で語られていた「信頼の文化の醸成」も、
「ティール組織」で語られていた「セルフマネジメント(自主経営)」や「ホールネス(全体性)」も、
この「感じる知性(Emotional Intelligence)」に別の切り口からフォーカスを当てているだけで、根っこの部分では繋がっているように感じました。
本書内で記されている18のEQコンピテンシー
★個人的コンピテンシー
▼自己認識
01)感情の自己認識
02)正確な自己評価
03)自信
▼自己管理
04)感情のコントロール
05)透明性
06)順応性
07)達成意欲
08)イニシアチブ
09)楽観
★社会的コンピテンシー
▼社会認識
10)共感
11)組織感覚力
12)奉仕
▼人間関係の管理
13)鼓舞激励
14)影響力
15)育成力
16)変革促進
17)紛争処理
18)チームワークと協調
の中だと、自己評価として
■感情の自己認識
■自信
■感情のコントロール
■順応性
■楽観
■共感
■育成力
あたりはそこそこ頑張っているのではないかと。。
(過大な自己評価かもしれませんが)、
このあたりの「感じる知性」の力を使いつつ、
同じく、本書内で取り上げられている6つのリーダーシップ・スタイルの中でいくと
【コーチ型(個々人の希望を組織の目標に結びつける)】を中心に、
しばしば【関係重視型(人々を互いに結び付けてハーモニーを作る)】、
ときどき【民主型(提案を歓迎し、参加を通じてコミットメントを得る)】、
ごくたまに【ビジョン型(共通の夢に向かって人々を動かす)】
を状況によってなんとなく使い分けている。。ような感じでしょうか?
本書内でもよほどうまく使わないと失敗する!と断言されている
【ペースセッター型(難度が高く、やりがいのある目標の達成を目指す)】や
【強制型(緊急時に明確な方向性を示すことで恐怖を鎮める)】
あたりのリーダーシップ・スタイルはほとんど使っていない(というか、使えていない)ですね。
本書の後半では、個人のEQの高め方、集団の(組織)のEQの高め方にも触れてあるのですが、これ。。ちょっと実践のハードル高すぎる印象です。
正直、出来るようになる気がしない。
ですが、おそらくは「感じる脳には反復練習しかない」
ってのが真理なんでしょうね。
「Don't Think,Feel!!」
なぜか、読み終わった後にブルース・リー先生のお言葉を思い出しました。。爆
お薦め度:★★★