TRUST FACTOR 最強の組織をつくる新しいマネジメント
TRUST FACTOR 最強の組織をつくる新しいマネジメント
ポール J・ザック Paul J. Zak 著 385ページ
▼成功を収める組織と、そうでない組織の違いは?
■「信頼の文化」が醸成されているか否か。
▼「信頼の文化」を醸成するために必要な8つの要素
■称賛 組織の成功に貢献した人を称賛すること
■期待 グループの課題に直面したときに生じるもの
■委任 プロジェクトの進め方を自ら選択できるようにすること
■委譲 自ら仕事をデザインし、自己管理することを可能にする
■公開 情報を広く共有すること
■思いやり 人間関係を意図的に構築すること
■投資 組織が従業員に「投資」すること
■自然体 誠実で謙虚なリーダーがいる組織
▼喜び=信頼×目標意識
ここまでであれば、「良くあるビジネス本だよね。」「他にもこういうこと言ってた人いるよね」「どっかで読んだことがあるようなことばかり」。。という印象に終わりかねないところなのですが、
本書の優れているところは、神経科学者でもある著者が、
オキシトシン、ドーパミン、テストステロンといった神経伝達物質の放出量と「信頼」の関係を、膨大な実験データによって科学的に裏付けようとしていること。
その結果、「信頼」と「オキシトシン(俗に言う「癒しホルモン」=著者は「モラル分子」と記載)」の間には明確な関連性があり、上記8つの要素によって、確実に「オキシトシン」の放出量が増加する=信頼の文化が醸成される。と。。
実験データをそのまま鵜呑みにしてよいのかどうかはわからないのですが、でも、その半端ない説得力には脱帽せざるを得ないです。
▼組織の「期待」を出来る限り具体的に伝え、
▼その「期待」に応えてもらうために、必要な「権限(委任・委譲)」を与え、
▼さらに「期待」に応えてもらうために可能な限りの「支援(公開、・思いやり・投資・自然体)」を行い、
▼「期待」に応えてくれた人を心から「称賛」する
その「当たり前のことを当たり前」に実践できれば、必然的に「信頼の文化」は醸成され、組織の成功が約束される。。
組織作りのベースは「愛と尊敬」と考えている自分にはとても勇気づけられる本でした。さ、頑張るぞ!!
お薦め度:★★★★