信頼の原則-最高の組織をつくる10のルール
信頼の原則-最高の組織をつくる10のルール
ジョエル・ピーターソン (著), デイビッド・A・カプラン (著), 田辺 希久子 (翻訳)
192ページ
TRUST FACTORを読んで以来、すっかり組織開発における「信頼」がマイブーム。
本書は、その「信頼」を築くための10のルールをわかりやすく解説してくれています。
◆ルール1 誠実さを身につける
◆ルール2 すべての人を尊敬する
◆ルール3 権限を委譲する
◆ルール4 目標を具体的に示す
◆ルール5 夢を共有する
◆ルール6 事実をありのままに伝える
◆ルール7 尊敬して論争する
◆ルール8 謙虚さを忘れない
◆ルール9 相手も勝つ交渉をする
◆ルール10 慎重にルールを守る
TRUST FACTORで語られていた8つの要素
■称賛 ■期待 ■委任 ■委譲
■公開 ■思いやり ■投資 ■自然体
と共通する点も多かったのですが、TRUST FACTORのような「科学的裏付け」がない一方で、「経験に裏付け」された「非常にわかりやすい文章」でとても読みやすかったです。
また、本書の気に入ったところは、「信頼文化」を推進しようとする際に、避けては通れない恐怖である「裏切り」について、「裏切りは常に起こり得る」と断言し(爆)、
「裏切りのリスクから目をそらさずに、【人格・能力・権限】を吟味して信頼する相手を選べば、裏切られる可能性は下げられる!」と書いてあるところ。
つまり、「組織に信頼の文化」を築けるかどうかは、採用時にいかに【人格】と【能力】を正しく吟味して選べるか(権限は入社してから与えるものなので)。。にかかってるってことなんですよね。
うわ。。人事の責任重大だ、こりゃ。
GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代
GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代
アダム・グラント (著), 楠木 建 (監修) 251ページ
2014年出版の本なので、何を今更。。なのですが、ずっと気にはなりつつ未読のままだったのでようやく読んでみました。
これまた、たくさんのレビューサイトもあるので、特に追記することもないのですが、要するに、
人間の3つのタイプである
●ギバー(人に惜しみなく与える人)
●テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)
●マッチャー(損得のバランスを考える人)
の中で、もっとも成功するのはどのタイプなのか?という疑問に対し、それぞれの特徴と可能性を、数多くの事例をもとに分析している本です。
結論から言うと、
「成功への階段の一番下にいるのも、一番上を占めているのもギバーである」
とのことで、「自分を犠牲にして他人に与え続ける【自己犠牲】のギバー」は成功できないが、「自分を含めた全体の幸せを考える【他者志向性】のギバー」は成功する!ということらしいです。
本書を読み始めた当初は、「ビジネス(というか人生)の基本は【貸し借り】!」と信じて疑わない自分は典型的な「マッチャー」なのだろうと思っていたのですが、どうも実際には「短期的に損得を合わせよう(GIVE&TAKE)とするマッチャー」よりも、「中長期のフワッとした貸し借りを重視する(GIVE&GIVEN)ギバー」の傾向が強いようで。。
実際に、著者のアダム・グラントさんのサイト
http://www.adamgrant.net/selfgivertaker
にある「Give&Take診断(15問の質問に回答するだけ)※英語のみ」を受けてみたところ、「Giver=87%、Matcher=13%」の結果でした。
全体を通じて、それほど目新しいことが書いてある印象ではなかったですが、今のままの自分を維持しつつ、もう少し日ごろから「Give」を意識すれば、もっと素敵な人生が送れるのかも!!と、ちょっと元気をもらえる本でございました。
お薦め度:★★★★
BAR AQUAVITY
BAR AQUAVITY 西新宿
青梅街道沿いのラーメン屋(麵屋 勝道)さんで軽く腹ごしらえをしていたところ、
店の前にBARの看板があったので、ふらっと飛び込みで4階に。。
入店したのは19時前と早い時間だったのですが、カウンター7席+2人席+4人席(違ったかも)という店内では女性バーテンダーさんが1人で暖かく迎えてくれました。
まずはいつものジントニック。
GORDON(トニックウォーターの銘柄は確認できず)ベースのジントニックは、薄すぎず、甘すぎず、上品な美味でございました。
で、なんと、こちらのお店はご丁寧にメニューブックを用意してくれています。
バーボンもスコッチもブレンデッドも代表的な銘柄は一通りそろえてあり、カクテルも定番はほぼ網羅。しかもすべてお安い!
2杯目はEvan Williams 12-year-oldをロックで。
3杯目はBacardiベースのダイキリを。
4杯目はKnob Creek Single Barrelをロックで。
以上4杯で、なんと計 4,200円也。
テーブルチャージ500円入れてこのお値段です。
もうお店は9年も営業されているようなので大丈夫なのだと思うのですが、
あまりの安さに心配しちゃうレベルです。
女性店長兼バーテンダーの沖さんもとても気さくな方で、
これは「ショットバー初心者に安心してお薦めできるBARランキングNO.1確定(これまで自分の中では、同じく西新宿のBar Aleが初心者にお薦めNO.1でした)」ですね!!
ショットバーデビューのお店としては、最適だと思います。
BAR AQUAVITY
新宿区西新宿7丁目11-2 ASP西新宿ビル4F
03-3365-6188
BAR STING
先日の「BAR ARGYLL」に続き、「食べログ」の新宿バーランキングでトップ10入りしている、新宿三丁目の「BAR STING」を探索してきました。
入店したのは19時過ぎ。カウンター7席+4人席+5人席の店内には先客1名のみで、2名の男性バーテンダーがにこやかに迎えてくれました。
まずはお決まりのジントニックから。
GORDONベースのジントニック(トニックウォーターはSchweppesにちょっとWilkinsonの炭酸足してたかも?)は新鮮なライムの香り高く、とてもおいしゅうございました。
ライムが印象的だったので、続けてギムレットをオーダー。こちらも甘さ控えめでなかなかの美味!カクテル通の方でも十分満足していただけそうです。
で、ボトル棚を見ると、メーカーズマークを中心とした少量のバーボンボトルの中に見慣れないブラントンのボトルを発見!
「それ、何ですか?」と聞いてみたところ、ブラントンの樽出し(フロム ザ バレル)物だとのこと。
では!ということでロックでいただいてみました。
アルコール度数63.05度という強さの割にはとてもまろやかで飲みやすく、何よりもその芳醇な香りがたまりません!!
こいつは良いお酒に出会えました!!
次の予定もあったので、以上3杯で退散。計 5,080円也。
今度はもう少し長居していろいろとお話してみたいっすね。
新宿三丁目。レベルの高いBARが多いです!
BAR STING
新宿区新宿3-8-2 クロスビル 3F
3-3341-8641
BAR ARGYLL
BAR ARGYLL 西新宿
久しぶりの新規開拓です。
「食べログ」の新宿バーランキングでトップ10入りしている「Bar ARGYLL」を探索してきました。
祝前日の20時過ぎの入店でしたが、店内のカウンター6席+奥のテーブル席(4人席×2 or 3?)は、ほぼ満席状態。
なんとか空いていたカウンター席にすべりこみ、まずはお決まりのジントニックをオーダー。
ボトルに隠れてバーテンダーさんの手元がまったく見えないため、ジンの銘柄もトニックウォーターの銘柄もわからなかったのですが、
一口飲んでみてビックリ!!
これは。。もしかして。。わたしの一番好きなやつでは?!
恐る恐る、「これ。ベースのジンは何を使われてます?」
と聞いてみたところ、「ボタニストというアイラ島のジンです」とのこと。
ビンゴ!!「ということは。。トニックウォーターはフィーバーツリーですか?」と図々しく重ねると、「はい。よくおわかりですね!」との回答。
わたしの一番好きなジントニックの組み合わせを初見で見抜く(?)とはなんという眼力!!
わーい。新宿界隈で「THE BOTANIST+FEVER-TREE」のジントニックを無指定で出してもらえるBarを見つけた!これは大収穫。
ただ、ボトル棚を見渡すと、バーボンのボトルは「ハーパー12年」と「メーカーズマーク」の2本のみ?どうやら、基本はカクテルとシングルモルトのスコッチメインのお店のようです。バーボンマニアとしては少々残念。
ですが、只者ではないジントニックの組み合わせから、マスターの舌を信頼してみよう。。ということで、「バーボン好きでも楽しめそうな、ピート香控えめでフルーティーなシングルモルトってありますか?」
と質問してみたところ、「こちらなんていかがでしょうか?」
と出してくれたのは、「GLEN MORAY 8年」と「KINGSBURY THE SELECTION Macdaff」の2本。
では。ということで、どちらもロックでいただきました。
GLEN MORAYはアルコール度数59.1%というとんでもないインパクトなのですが、バーボン樽熟成特有のバニラ香とフルーティーな味わい(マスター曰く、「洋梨っぽい」とのことでしたが、個人的にはかすかに「バナナっぽく」感じました)に加え、ピート香はほんのちょっと。。でとても飲みやすかったです。
KINGSBURY THE SELECTION Macdaffもバーボン樽仕上げだとのことなのですが、こちらは良くも悪くもクセがなく。。とても飲みやすかったものの、これといったインパクトも感じませんでした。ラベル見てみると、アルコール度数43%。こりゃ、完全に飲む順番間違えちゃいましたね。GLEN MORAYと逆にすれば、もっと良さがわかったかもしれません。
と、このあたりで店内満席で「待ち」まで出始めたので、最後にもう一杯だけ。。と、初めて飲む「ボタニストベースのギムレット」をオーダー。
これがまた旨い!!ボタニストの風味を生かしつつ、フレッシュライムジュースの香りとかすかな甘味のバランスが絶妙で、こちらのマスター、やはり只者ではなさそうです。
以上、4杯。おつまみなしで6,100円也。西新宿界隈のショットバーとしてはほぼ平均的なお値段でしょうかね。
混んでいてあまりマスターとお話出来なかったのが残念ですが、お名刺もらっちゃいました(店長:藤本さん)。
もう少し早い時間帯(19時台)であればもう少し空いてるのかな。。近いうちに再訪したいお店です。
※ただし、店内で葉巻を嗜むジェントルマンが多いようなので、シガーが苦手な方にはお薦めしないかも
BAR ARGYLL
新宿区 西新宿 1-4-17 第1宝徳ビル 3F
03-3344-3442
EQリーダーシップ:成功する人の「こころの知能指数」の活かし方
EQリーダーシップ(原題:PRIMAL LEADERSHIP)
ダニエルゴールマン他共著 352ページ
2002年ということは、もう16年も前に書かれた本なのですが、
「ティール組織」や「TRUST FACTOR」を読んで、
あらためて読んでみたくなり、今更ながら購入してみました。
なるほど、確かに書いてあることの大半は
すでにいろいろなところで語りつくされた印象で、
今となってはほとんど「目新しさ」は感じない内容ですが、
「考える知性(大脳新皮質)」で部下を管理することはできても、
「感じる知性(大脳辺縁系)」が足りないリーダーには、部下を導くことはできない
という記述は刺さりましたね!
人間は「感情で動く」ものであり、「感情の問題」を避けてリーダーシップを語ることはできない。
太古の昔から、リーダーは「感情のレベル」で人々を導く役割を担う、いわば「感情の指針」である。
なるほどねぇ。。
「TRUST FACTOR」で語られていた「信頼の文化の醸成」も、
「ティール組織」で語られていた「セルフマネジメント(自主経営)」や「ホールネス(全体性)」も、
この「感じる知性(Emotional Intelligence)」に別の切り口からフォーカスを当てているだけで、根っこの部分では繋がっているように感じました。
本書内で記されている18のEQコンピテンシー
★個人的コンピテンシー
▼自己認識
01)感情の自己認識
02)正確な自己評価
03)自信
▼自己管理
04)感情のコントロール
05)透明性
06)順応性
07)達成意欲
08)イニシアチブ
09)楽観
★社会的コンピテンシー
▼社会認識
10)共感
11)組織感覚力
12)奉仕
▼人間関係の管理
13)鼓舞激励
14)影響力
15)育成力
16)変革促進
17)紛争処理
18)チームワークと協調
の中だと、自己評価として
■感情の自己認識
■自信
■感情のコントロール
■順応性
■楽観
■共感
■育成力
あたりはそこそこ頑張っているのではないかと。。
(過大な自己評価かもしれませんが)、
このあたりの「感じる知性」の力を使いつつ、
同じく、本書内で取り上げられている6つのリーダーシップ・スタイルの中でいくと
【コーチ型(個々人の希望を組織の目標に結びつける)】を中心に、
しばしば【関係重視型(人々を互いに結び付けてハーモニーを作る)】、
ときどき【民主型(提案を歓迎し、参加を通じてコミットメントを得る)】、
ごくたまに【ビジョン型(共通の夢に向かって人々を動かす)】
を状況によってなんとなく使い分けている。。ような感じでしょうか?
本書内でもよほどうまく使わないと失敗する!と断言されている
【ペースセッター型(難度が高く、やりがいのある目標の達成を目指す)】や
【強制型(緊急時に明確な方向性を示すことで恐怖を鎮める)】
あたりのリーダーシップ・スタイルはほとんど使っていない(というか、使えていない)ですね。
本書の後半では、個人のEQの高め方、集団の(組織)のEQの高め方にも触れてあるのですが、これ。。ちょっと実践のハードル高すぎる印象です。
正直、出来るようになる気がしない。
ですが、おそらくは「感じる脳には反復練習しかない」
ってのが真理なんでしょうね。
「Don't Think,Feel!!」
なぜか、読み終わった後にブルース・リー先生のお言葉を思い出しました。。爆
お薦め度:★★★
ティール組織:マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
ティール組織:マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
フレデリック・ラルー 著 592ページ
最近、やたら流行っているようなので、ミーハー精神を発揮してとりあえず読んでみました。
率直な感想として、約600ページはとても長い。。ですが、個人的には非常に面白かったです。
本書内で明記されているように、「進化型の新しい組織を作れるかどうか」「既存の組織を進化型に変革できるかどうか」は
1 経営トップが進化型の世界観をもっていること
2 組織のオーナーが進化型の世界観を理解し、受け入れていること
の2点にかかっているので、実際には「人事担当者」レベルがどう動こうとあまり影響はない
→本書内の言葉を借りれば「リーダーの意識が進化型に到達していない状況では、組織の垂直的な変容は最初から負けゲーム」
ということになってしまいますが、
進化型システムに変容するための三つの突破口(ブレイクスルー)
1 自主経営(セルフマネジメント)
階層やコンセンサスに頼ることなく、同僚との関係性の中で自主的に判断・行動する仕組み
2 全体性(ホールネス)
職場用の仮面をかぶらずに、ありのままの本来の自分で職場に存在できるような風土・慣行・文化
3 存在目的(エボリューショナリーパーパス)
組織自体が何のために存在し、将来どの方向に向かうのかを常に追求し続ける姿勢
を既存の組織に取り込むための工夫は、「人事担当者」レベルでもいろいろと出来そうだと思いました。
特に、【自主経営組織においては上司と部下が「不健全な親子のような関係」ではなく「互いに大人と大人の関係」であることを強く促される】という文脈の中で「交流分析」に触れていたところなど、交流分析を学び、交流分析士の資格を持つ身にはガッツリ深く刺さりましたし、
【全体性】という考え方そのものが、傾聴を学んだ人間であれば必ず知っている、カール・ロジャース先生(来談者中心療法の創始者)の3条件の1つである「自己一致」と同じ考え方ですし、
組織の【存在目的】を明らかにして、その組織の存在目的と各社員の存在目的(キャリア)のベクトルを合わせることこそ、人事の仕事の本質だと思っていますし、
【進化型パラダイムにおいては、周囲の人々の「欠点を見る」のではなく、「長所を生かす」ようになる】
なんて、まさに今の自分が目指したい方向性に近い。。んですよね。
また、「進化型パラダイムに従って活動している人」のことを「大志を抱いているが、野心的ではない人」と表現していることも、妙に気に入ってしまいました。(今の自分がそうなれているとは思わないのですが、そうなりたいと思っています。)
おそらく、この本を読んだ組織のリーダーが、中途半端に「進化型組織への変革」を目指して大失敗する。。ような事例も量産されてしまいそうな気もしますが、
でも、なんか、前向きに「進化型」を実践すべく動いてみたくなる本でした。
組織開発的なことに携わっている方には是非、お薦めです。
お薦め度:★★★★